天候や新型コロナ禍が原因で食品中心に物価が大きく上昇 (フィリピン)

フィリピン統計庁(PSA)は9月7日、8月の消費者物価指数(CPI)上昇率(インフレ率)は4.9%と発表した(添付資料図参照)。この数値は2018年12月に5.1%を記録して以降、最も高い数字となる。相対的に価格変動が大きい特定の食品とエネルギーの項目を計算から除いたコアインフレ率は3.3%だった。また、1月から8月までの平均CPI上昇率は4.4%となり、政府が目標範囲としている2~4%を上回っている(注1)。

フィリピン中央銀行(BSP)は8月のCPI上昇の主な要因として、物価指数を計算する際にウエートが大きい項目の「食品」の上昇率が6.9%と高かったことを挙げている。BSPが公表しているデータによると、「食品」の寄与度(注2)は2.5で、最も高い項目だった。「食品」の中でも「野菜」は15.7%、「魚」は12.4%と大きな価格上昇があった。「野菜」の急騰について、モンスーンの雨で農地がダメージを受け、供給能力が低下するとともに、新型コロナウイルス感染防止を目的とした移動・経済制限措置によって作物の輸送コストが上昇したことが原因、とPSAのクレア・デニス・マパ次官は説明した(「フィルスター」紙2021年9月7日付)。

出所:ジェトロ
https://www.jetro.go.jp/biznews/2021/09/bee0703f2b44e4a5.html